pate269:ベランダの花園。
『ku:nel(クウネル)』2009.9.1(マガジンハウス)10~33ページ/680円(税込)
http://magazineworld.jp/kunel/
腰まで伸びた草花、鼻腔に満ちる草いきれ、足を濡らす露、あわてて逃げる虫やトカゲの愛らしい姿、そして、忘れてしまった宝の隠し場所……。
“夏の庭”には秘密と謎が満ちているイメージがあります。
脳の中にも、そんな空間を見つけることができるのでしょうか?
【YOMIURI ONLINE】左利きがアイデアを生む!?
http://job.yomiuri.co.jp/news/special/sp_09081101.htm?from=os4
メモ、食事に左手の効用 専用商品にも注目
新しいアイデアの呼び水として、企画会議で利き腕ではない左手でメモを取ったり、食事の際に左手を使ってゆっくり食事をしたりするなど、今年に入って「にわか左手」派が登場してきた。
化粧品やペット商品、女性の下着などの企画や販売を手がける「シルキースタイル」(本社・東京都港区)は、新鮮なアイデアを生み出していくため、企画会議に左手を使う奇抜な手法を今年2月から取り入れている。
経営者の山田奈央子さんは、「契機は、今年1月20日に左利きのオバマ大統領が就任したこと。心に響く演説は、左利きであることが関係しているのでは――と、左手を使うことに興味を持った」と話す。
じゅうたんを敷き詰めたフロアで、腹ばいになって行う会議。女性向けの新商品のイメージが左手で次々とノートに描かれていく。
最初は、パソコンのマウスを左手で操作することから始めた。右手でメモを取れるなど作業が効率化し、「肩こりが軽減されたような気がする」のだという。
商品を企画するには、創造力や発想力が大切。利き腕ではない左手でメモを取ることで、全身をフル稼働させているような気分になり、意識が変わったとも。
山田さんは、働く女性200人が会員となっている女性キャリアデザイン協会を運営。活動的な30代、40代前後の女性向けの勉強会も主宰している。そこで知り合った人にも「左手を使う効用」を伝えている。
山田さんの友人で、ワンピースのオーダーメードを手がける「プライベートローブ」(同渋谷区)の経営者・佐藤かおりさんは、「左手で食事をすると、普段の慌ただしさを忘れ、ゆったりとした気分になれる」と感想を語る。
左利き専用商品を扱う菊屋浦上商事(神奈川県相模原市)の浦上裕生さんは、今年に入って、ちょっとした異変を感じている。
「どうやったら左利きになれるのか」「左手をもっと活用するアイデア・道具を教えてほしい」との問い合わせが増えているのだ。自ら左利きの浦上さんは、左手をアピールするため、仕事仲間らで左利きだけの草野球チームの結成を目指している。
企業の福利厚生を支援する日本ベネフィットマネジメント(東京・新宿区)の業務部長・平野真一郎さんは、「験を担ぐ時には左手を使うことが多い」と話す。
また、「草食系男子『お嬢マン』が日本を変える」(講談社)などの著書があるマーケティングライター・牛窪恵さんは、「時には左手でモノをつかんだり、メモを取ったりすることは、一方向からだけではなく別方向から見るなど、意識を変えるためのスイッチになるのではないか」とコメントしている。
(2009年8月11日 読売新聞)
じゅうぶんな広さもなければ、栄養を含んだ肥沃な地面もない。
思うままにいかないのが、ベランダの庭づくり。
それでも、植物の要望を聞きながら植木鉢を移動させ、日なたを求めたり、日陰を作ったり。
年月を凝らして、手間を惜しまず。
やがて緑を茂らせ、ようやく花実をつける。
ときには、鳥が運んだ種が根づいて新たな芽を出すことだってある。
たとえ小さくても豊かな庭。
(文…つるやももこ)
雑草もそのまま、
虫がついても
いいじゃない。
黒田益朗(アートディレクター)
「この庭は、自分の趣味というより、猫のために作ったんです」。子猫から育てている2匹に、マンションの部屋の中だけでなく、自由に歩き回れる、緑のある庭を与えてやりたい。黒田益朗さんは、マンションの最上階にある、広さ20平米のベランダが付いたこの部屋を見つけたとき、思ったという。
(略)
庭はあくまで、猫のため。ゆえに殺虫剤も不使用だ。どうしても必要なときは、木酢液を薄めてスプレーする。青虫を見ても見ぬふり。
屋上は、花畑という名の
小さな宇宙。
大野八生(イラストレーター、造園家)
「引っ越してきたときにはすでに、屋根に土があったんです。そこにジャスミンと赤いミニバラだけが植えてありました」。(略)さっそく足場を探してよじ登ると、足もとは適度にしめった黒土だった。「触ると、とてもいい土でした。掘り返すとミミズがたくさんいた」。さっそく何を植えようかと考えた。でも、美しく整った庭は自分の好みではない。しかも、この場所は仮住まい。いつかは引っ越すだろう。そのことを考え、一年草を中心に、あまり大きくなりすぎず、丈夫な草花やハーブを植えることにした。
(略)
「去るときには、すっきりとさせていくでしょう」ときっぱり。次の住人が手入れをしなくても楽しめる、丈夫な植物を残し、あとは更地にするつもりでいる。造園を仕事にする人らしい、骨のある言葉だ。
花と野菜、
寄り添い育つ
箱庭農園。
城戸崎和佐(建築家、大学准教授)
箱庭にも似た手作りのサイコロ状プランターは、深さ40cm。深く根を張る根葉以外、ほとんどの野菜を育てることができる最低限の大きさを模索した。7階のベランダには重い土を持ち込みたくなかったので、屋上緑化用軽量土に、堆肥と燻炭で栄養を補った。本格的な土を使っているわけではないが、昨冬は白菜を収穫できたというから、驚きだ。
「家は建ったときが完成。でも、庭は未知で完成がない。だからこそ興味が尽きないのかもしれない」と、建築家の城戸崎さんは考察する。
なんでも鉢にできるのね。
園芸店で売っているテラコッタの鉢やプランターもいいけれど、台所道具や空き容器だって、工夫次第で植木鉢として使えます。大切なのは、植物それぞれの性質に合う環境を考えて、容器を選ぶこと。色もかたちもとりどりの鉢は、ベランダや庭の眺めを新鮮にしてくれます。
(文…編集部)
ほうろうの台所道具/プライパンを受け皿に/プラスチックの食品容器/インテリア用の木箱/アンティークの花筒/ほうろうのピッチャー/モンゴルのミルクパン/アフリカのスパイスボウル/ブリキのバケツ/オリーブオイルの空き缶/ブリキの水さし/じょうろをつり下げて
ほうっておいても大丈夫。
ものぐさのためのベランダ。
植物がすくすくと育つように手をかけてやりたい。
だけど、仕事がら家を留守にすることが多いため思いどおりにはいかず、結果、枯らしてしまう。
写真家の高橋ヨーコさんの悩みは深いのです。
何もしなくてもずっと元気でいてくれる、そんな草花がいっぱいの庭があったらいいのに……。
(文…編集部)
(略)長年住みなれた部屋を離れ、低層マンションの3階に引っ越したら、リビングルームの窓の外にベランダがあったのだ。(略)ヨーコさんは、すぐに梅津収一さんに連絡した。知人のベランダ庭を手がけたランドスケープデザイナー(景観全体をデザインする人)だ。ヨーコさんが梅津さんに伝えた条件は3つ。外から見えないようにして秘密めいた場所にしたいから、植物の背を高くしない。濃い色のグリーンよりも淡いグリーンが好み。そして、留守がちだから世話をしなくても育つ植物がいい。
ここで、庭作りを引き受けた梅津さんの話を聞こう。
「(略)水たまりができないように排水の方法をきちんと考えて、セダム類などの、乾燥に強い多肉植物を中心に作ろうと思います。(略)いちばん難しくて、時間とお金がかかるのが、この下地作りです。植えるのは簡単ですよ」
(略)
6月になって、ヨーコさんの家をまた訪ねてみた。(略)
「目が覚めたら最初に庭を見るんですよ。外出してても、水をあげなくちゃとか、気になっちゃって」
あれれ、ヨーコさん、ものぐさじゃなくなってませんか?


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